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特集 輸血・輸液の諸問題
酸素飽和血輸血
Transfusion of the Blood saturated by Oxygen.
齊藤 淏
1
Kiyoshi SAITO
1
1日本医科大学
1From the Surgical Department of Nippon Medical School.
pp.383-387
発行日 1953年8月20日
Published Date 1953/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201277
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輸血の持つ多彩な効用の中でO2運搬に関する重大な因子は黙認されつゝ深い研究は少い.近来特に外科に於て,低O2血は多くの注目を惹くところとなり,之に関連して輸血に動脈血を使用すること血液のO2加が二三の学者によつて取り上げられて来た.偶々筆者等は術中術後の肝臓庇護を目的として高張葡萄糖液の門脈内注射(門注)を創め,その價値を高くかつていた時,Fine等のショック肝の低O2に対する動脈血の門注に関する実驗は筆者を刺戟すること多く,直ちに靜脈血をO2飽和して門注してみるに甚だ興味ある成績を得たので諸方面にわたる系統的な実驗研究を行い,更に多くの臨床経驗をつみ,その利用價値の尠くないことを知り,かつ輸血のもつ効果に対して新しい面を観察し得たと信ずるに至つた.
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