Japanese
English
方法と装置
電磁流量計のその後の進歩—矩型波電磁流量計に就て
Recent advance in the electro-magnetic flow meter:The square-wave electromagnetic flow meter.
沖野 遙
1
Haruka Okino
1
1慶応義塾大学医学部内科教室
1School of Medicine, Keio University
pp.385-391
発行日 1958年5月15日
Published Date 1958/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200628
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I.まえがき
生体におけるHaemodynamicsを知るために従来色々と方法論的に議論がつきなかつた。そしてそれらの多くのものは心臓及び血管内での圧落差と,そこを流れる血液の量及び抵抗を知るためのものであつた。然しかようなこれまでの多くの業績を通観してみると,結局のところ全体を流れている考えの多くは,血液を単に粘性流体と想定して普通の水力学(Hydrodynamics)の考えで処理しようとする,或いは処理せざるを得ないという障壁に当面して大きな理論的飛躍を試みようとしていることがわかる。この様な多くの仮定を含んだ飛躍も最近の装置の発展によつて次第に或る部分は是認され,また書き換えられつつあるわけである。
とくにHaemodynamicsの場合には,拍動性に変化する内圧と流量を,生体側の複雑な制御機構に支配された心臓,血管およびその他の臓器内に生じた変化として知るわけである。このような目的で内圧および流量を測定する場合には,ただ内圧値や流量値を知るだけではなくて内圧波形や流量波形の時間的経過,換言すれば位相図型(Phasic pattern)を得られれば従来疑問とされて来た種々の変化を解明できるものと思われる。
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