病気のはなし
結節性動脈周囲炎
岩本 幸子
1
1東京大学医学部物療内科
pp.500-505
発行日 1991年6月1日
Published Date 1991/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900621
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サマリー
結節性動脈周囲炎(結節性多発動脈炎)は,病理組織学的に中小動脈のフィブリノイド壊死を伴う,血管全層炎が全身に認められる系統的血管疾患である.病態発生機序は不明であるが,血清病との類似性から免疫複合体病が考えられている.臨床症状が多彩であり,疾患マーカーとなるべき特異的検査所見もないことから,臨床診断が困難であり,確定診断には生検組織像が不可欠である.予後不良の疾患で,未治療の場合には80%が1年以内に死亡する.ステロイド剤と免疫抑制剤の併用療法が有効で,病初期に治療が開始された場合は寛解に導入できる.
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