今月の主題 膠原病診療の実際
診断へのアプローチ
結節性多発性動脈周囲炎
安倍 達
1
1埼玉医科大学総合医療センター・第2内科
pp.1376-1377
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221041
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結節性多発性動脈周囲炎とは
結節性多発性動脈周囲炎(PN)は,全身の中等大の筋型動脈に多発性分節性に壊死性血管炎が生ずる疾患である.動脈分岐部に多数の小結節を作り,腸間膜動脈などでは肉眼でもみられる.障害臓器は多臓器に及ぶが,原則として肺動脈を侵すことはない.臨床的には病理変化のある部位の血管壁の脆弱化による動脈瘤や,血栓形成による病態を示す.臨床的にみられる血管炎の中でPNはむしろ少なく,表1に示すような多くの疾患と鑑別しなければならない.
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