今月の主題 酸塩基平衡の実際
病態生理
電解質代謝面から
柴垣 昌功
1
1川崎市立井田病院内科
pp.1470-1472
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216068
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血清K値と酸塩基平衡
一般に,アシドーシスは血清K値を高め,アルカローシスは低める.これは①血漿中にH+がふえると,その一部は細胞内に入って蛋白質,燐酸塩などによる緩衝を受け,代わりに細胞内からK+が血漿中に出てくる.逆にアルカローシスでは,細胞内に蓄えられたH+が放出されて血漿pHの上昇を防ぎ,代わりにK+が細胞内へ入ること,②アシドーシスでは遠位尿細管でH+がK+より多く排泄され,アルカローシスではK+がより多く排泄されるためである.
Burnellによると,血漿pHが0.1変化するごとに血清K値も0.6mEq/l変わるという(図1).したがって,同じ血清Kの値でも,アシドーシスがあれば体内のKはみかけより少なく,アルカローシスであれば,Kはもっと多いと判断しなければならない.
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