Japanese
English
診療指針
各種降圧剤の併用療法
The Results of combined therapy of various hypotensive drugs on Hypertension.
五島 雄一郞
1
,
矢島 治
2
Yuichiro GOTO
1
,
Osamu YAJIMA
2
1慶大医学部
2慶大内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
2Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.555-559
発行日 1955年9月15日
Published Date 1955/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200280
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1.緒 言
高血圧症の成因に関しては従来より多くの説が発表されているが,未だ充分之を解明しうるものはない現状である。従つて我々が現在行つている高血圧症の治療も多くの治療法があるが,原因療法というものは少く,結局のところ本症の最も主要な症状である。高い血圧をいかにして適当なところ迄下げるかという対症療法に専念している状態である。然し高い血圧が下り,自覚症状の寛解が見られゝば患者としては大変都合がよいわけであるが,病気の進行した者では一時降圧しても又昇圧してしまうようなこともあり,一時的な効果に終つてしまうことが少くない。
一方高血圧の死因は脳死,心死,腎死が三大原因とされているが,血圧200mmHg以上の場合,脳卒中は死因中の45%であり,腎疾患18%,循環器疾患9.7%という統計が示す如く,脳卒中死の比率が非常に大であることが分る。之に加えて戦後死亡率第1位を占めていた結核が抗生物質等の化学療法の進歩により死亡率が著しく減少したに反し,脳卒中死亡は昭和28年以来死亡率第1位を占めるに至り,高血圧の治療が非常に大きくクローズ・アツプされて来た。
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