Japanese
English
綜説
大動脈絞窄症—病態生理を中心として
Coarctation of the Aorta--about the pathological physiology
五島 雄一郞
1
,
小玉 隆一
1
Yuichiro GOTO
1
,
Ryuichi KODAMA
1
1東邦大学医学部相沢内科
1Toho Medical University, Department of Aizawa Internal Clinic
pp.338-347
発行日 1955年6月15日
Published Date 1955/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200244
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1.緒 言
先天性心疾患に対する心臟カテーテル法,血管心臟造影術等による知見の増加と外科的治療の進歩により救命せられる患者の多くなつて来たのは喜ばしい次第である。一方最近特に増加せる高血圧症に対する興味も深まり多くの業績をみているが,先天性心血管疾患の内特異な病像により高血圧症を伴う大動脈絞窄(Coarctation of the Aor—ta)の占める位置は非常に興味あるものと云えよう。欧米では既に数百例が手術により救命せられ,症例報告としての価値を失つている状態であるに関わらず,本邦に於ける症例は極めて少く,民族的地域的差異も考慮すべきであるが一面には本疾患に対する認識の不足が大きな原因でないかと云われている。本疾患については既に佐野1)のレ線学的検索を中心とした綜説があり,著者等2)も本症の概要を綜説した。本症は特異な血行状態につき欧米で早くから報告せられており特異な知見も知られているので依頼に応じて本症の血行動態を中心として綜説してみたい。
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