Japanese
English
綜説
肺結核手術と肺及び循環機能について
Pulmonary and Circulatory Function on the Surgical Treatment of Pulmonary Tuberculosis.
河合 直次
1
,
長田 浩
1
Naoji KAWAI
1
,
Hiroshi OSADA
1
1千葉大学医学部河合外科
1Chiba University School of Medicine
pp.67-77
発行日 1954年3月15日
Published Date 1954/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200139
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肺結核に対する手術は即刻を争う救急手術ではない。従つて次に述べるような不幸な症例を,われわれは1例でも持つてはならない。
症例A 24歳 女性 左上野に巨大空洞2個,右上野に陰影,呼吸停止時間21秒,肺活量1100,高田氏反応強陽性,喀痰中菌G.Ⅷ,体重57kg,赤沈値1時間41このように全身状態,局所所見共に不良であつて,適応を既に逸脱していると考えられる。然し患者は非常に強く手術を希望する為に術前充分の検査と準備を行つた。左側胸廓成形術,第1〜第4肋骨切除,肺尖剥離を行わない。肋膜肥厚中等度,出血量437瓦,最高血圧は92迄低下,呼吸数は50〜60に達する為酸素吸入を行なう。術後呼吸数胸60前後,奇異呼吸極めて高度であり,不安状態が持続する,その後状態次第に悪化し,チアノーゼを呈し,遂に術後60時間にして,彼女は鬼籍に入つた。
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