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Current Opinion
肺炎球菌ワクチンの最新の知見
New Findings of Pneumococcal Vaccine
丸山 貴也
1
Takaya Maruyama
1
1国立病院機構三重病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, National Mie Hospital
pp.987-992
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200018
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肺炎球菌ワクチンに関する最近1年間の話題
[1]肺炎の原因微生物
高齢化の進行に伴い,肺炎は脳血管疾患を抜いて日本人の死亡原因の3位に上昇した.現在,肺炎は市中肺炎(CAP),医療ケア関連肺炎〔HCAP:日本では2011年より日本呼吸器学会で医療・介護関連肺炎(NHCAP)と定義〕,院内肺炎(HAP),人工呼吸器関連肺炎(VAP)に分類されている1,2).特にHCAPは2005年のATS/IDSA合同ガイドラインで定義された分類で,主に北米からの原因微生物のデータにもとづいてMRSA,緑膿菌などの多剤耐性菌の頻度が院内肺炎と同様に高いとされてきた1).しかしながら最近の報告では,米国の後方視的観察研究を除き3),市中肺炎と同様に肺炎球菌の頻度が最も高いという報告が多い4〜6).最近の日本からの4つの前方視的研究でも,いずれも肺炎球菌の頻度が最も高いと報告している7〜10).NHCAPを発症する患者層は高齢と慢性の基礎疾患によりADLの低下した症例が多く,肺炎球菌感染のハイリスク群である.肺炎球菌ワクチンを接種することで発症と重症化を抑制することが期待される.
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