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綜説
川崎病の臨床像と治療戦略
The Clinical Features and Therapy Strategy in Kawasaki Disease
扇原 義人
1
,
石井 正浩
1
Yoshihito Ogihara
1
,
Masahiro Ishii
1
1北里大学医学部小児科
1Department of Pediatrics, Kitasato University School of Medicine
pp.363-368
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102451
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はじめに
川崎病は,乳幼児に好発する未だ原因不明の急性熱性疾患であり,1967年に川崎富作博士により世界で初めて報告された1).病態の主体は全身の中小動脈血管炎である.1983年に古庄らにより川崎病に対する免疫グロブリン療法の有効性が初めて報告された2).1991年にNewburgerらが多施設ランダム化比較試験により免疫グロブリン超大量療法(IVIG)2g/kg単回投与の有効性を報告して以降,わが国においても2g/kg 1日投与が主流となった3).しかしIVIGの作用機序は未だ十分には解明されておらず,初回IVIG治療に反応しない不応例が約15~20%存在する.またこれらIVIG不応例において高率に冠状動脈瘤が発生することが知られている4).臨床の現場では鑑別疾患を考慮し,川崎病を的確に判断に診断し速やかに治療を開始すること,またIVIG不応例を早期に判別し,適切な治療戦略を立て冠動脈瘤の発生をゼロにするかが課題である.
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