Japanese
English
綜説
気管支喘息のnatural history
Natural History of Bronchial Asthma
大田 健
1
Ken Ohta
1
1国立病院機構東京病院
1National Hospital Organization Tokyo National Hospital
pp.356-362
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102450
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はじめに
気管支喘息(喘息)は,症状,重症度,治療薬の効果など臨床的に多様であることが認識され,“disease”というよりは“syndrome”として捉えることが適切だと考えられてきた.したがって,そのnatural history(自然史)に影響を及ぼす因子は多岐にわたっている.臨床経過で考えると,寛解群と非寛解群,非寛解群では薬物療法奏効群と抵抗群および難治化群,重症度からは軽症間欠型,軽症持続型,中等症持続型,重症持続型に分けられる.そして,その多様性について,より科学的に解析する手段がフェノタイプ(phenotype)すなわち表現型の識別でありクラスター解析によって分類される.さらに喘息のnatural historyには修飾因子が関与することも喘息の多様性を理解するうえで重要である.本稿では,喘息のnatural historyについて,発症時期,寛解,難治化,修飾因子,クラスターを念頭に概説し,その多様性をもたらす背景について概説する.
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