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特集 最新の心房細動治療戦略―長期持続性心房細動に対するアブレーション
新しいコンセプトによるアブレーション―Focal Impulse and Rotor Modulation(FIRM)法
Treatment of Atrial Fibrillation by the Ablation of Localized Sources
中原 志朗
1
Shiro Nakahara
1
1獨協医科大学越谷病院循環器内科
1Department of Cardiology, Dokkyo Medical University Koshigaya Hospital
pp.233-236
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102425
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心房細動に対するアブレーション
1998年,Haïssaguerreらは,肺静脈内の異所性興奮から発作性心房細動は発生し,高周波通電による異所性興奮部位の焼灼により心房細動を治療しうると報告した1).現在肺静脈隔離術は,発作性心房細動に対するアブレーション治療の礎となっている2,3).一方,持続性および慢性心房細動に対するアブレーションは,有効な治療法が確立しておらず,複数回のセッションを必要とすることが多い4).非発作性心房細動アブレーションの治療戦略として,複雑心房電位(CFAE)を標的としたものや,左心房天蓋部や僧房弁峡部,あるいは後壁への線状焼灼法(linear ablation)が提唱されているが5),いずれも左心房広範囲の通電を要し,左房心筋もしくは心臓周囲の構造物(横隔神経・食道など)への過剰なダメージが懸念されている.心房細動を長期間持続させる病態基質は,未だ完全に理解されていない.よって,最適な通電の標的がわからぬまま,術者の経験に伴ったempiricalなアプローチが臨床現場で用いられているのが現況である.
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