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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
画像所見
食道
focal atrophy
focal atrophy
小山 恒男
1
,
高橋 亜紀子
1
1佐久医療センター内視鏡内科
pp.523
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202727
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食道扁平上皮癌(esophageal squamous cell carcinoma ; ESCC)の多くは発赤調であり,NBI(narrow band imaging)にてBA(brownish area)を呈する.また,NBI併用拡大内視鏡観察(NBI-ME)では,①拡張,②蛇行,③口径不同,④形状不均一,の4徴を有する異常血管が観察される.日本食道学会拡大内視鏡(JES)分類では,これら4徴のすべてを有する病態をType B,一部を有する病態をType Aに亜分類しており1),食道上皮内腫瘍(squamous intraepithelial neoplasia ; SIN)ではType A血管がみられ,ESCCではType B血管が観察される2)3).
focal atrophyは,通常内視鏡観察(白色光)で軽度発赤,NBIで淡いBA,ヨード染色にて不染帯を呈すため,ESCCとの鑑別が問題となる.focal atrophyでは,JES分類Type A,B血管は認められず,NBI-MEにて上皮直下の毛細血管網であるSECN(subepithelial capillary network)が透見される.しかし,空気量が少ないとSECNは透見されないため,NBI-ME観察時には十分に送気し,食道上皮を伸展させて観察することが重要である.
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