今月の主題 平衡機能検査
話題
Head Impulse Test
千原 康裕
1
Yasuhiro CHIHARA
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科
キーワード:
head impulse test
,
head thrust test
,
前庭
,
半規管
Keyword:
head impulse test
,
head thrust test
,
前庭
,
半規管
pp.1479-1482
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101820
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1.はじめに
半規管機能(主に外側半規管)を調べる臨床検査として,前庭眼反射(vestibulo-ocular reflex;VOR)を利用した温度眼振検査と回転検査が普及している(本号「1.半規管機能検査」参照).近年注目を集め,臨床および基礎研究が進んでいる新しい半規管機能検査としてhead impulse testがある.head impulse testは1988年にHalmagyiとCurthoysによって報告された半規管機能検査で,「head thrust test」「Halmagyi & Curthoys test」などとも呼ばれている1).Head impulse testは頭部に高加速度・高周波数刺激を負荷する検査で,温度眼振検査や回転検査とは異なった特徴を持つ.また,特殊な器具や装置を必要とせずに短時間で検査を行うことができる.
本稿では,head impulse testの行いかた,結果の解釈と生理学的意義,検査上の注意点について述べる.なお,原理的にはhead impulse testで前半規管や後半規管の機能を調べることも可能であるが,本稿では外側半規管に対する検査についてのみ紹介する.
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