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特集 最新の心房細動治療戦略―長期持続性心房細動に対するアブレーション
序文
New Frontier for The Curative Treatment Approach of Atrial Fibrillation:Updated Therapeutic Strategies of Long-standing Atrial Fibrillation
青沼 和隆
1
Kazutaka Aonuma
1
1筑波大学医学医療系循環器内科
1Cardiovascular Division, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
pp.203
発行日 2014年3月15日
Published Date 2014/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102420
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心房細動は最も一般的な不整脈であり,その有病率は近年増加傾向にあり,今後来るべき未曾有の超高齢化社会の到来によってますます増加すると考えられる.心房細動に対する治療の考え方として,抗凝固薬による脳血栓塞栓発症を予防する治療が必須の治療であるが,それに加えて症例に応じ,カテーテルアブレーションによる積極的洞調律維持治療が盛んに行われるようになった.この背景には超高齢化社会を迎えるにあたり,何人かの有名人・政治家が,心房細動に起因する脳血栓塞栓症による重度の麻痺を発症する様を見て,多くの日本人がその健康願望の高まりにより,最期まで自活できる健康な身体と共に老後を送りたいという願望が強く現れていることが背景にある.
現在カテーテルアブレーションは,発作性心房細動を中心に施行されており,各術者の経験症例が増加するに付け,徐々に治療成績が良好となり,その長期洞調律維持効果は本邦からの報告においても良好である.本邦では,広範囲あるいは個別肺静脈隔離術が標準治療として確立された感があり,昨年度の治療症例数は,日本全国で25,000例を超えるまでに増加している.
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