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特集 末梢動脈疾患
PAD診療におけるバスキュラーラボの役割
Role of Vascular Laboratory in the Management of PAD
松尾 汎
1
Hiroshi Matsuo
1
1松尾クリニック
1Matsuo Clinic
pp.819-824
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102297
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バスキュラーラボとは何か?
まず,「バスキュラーラボ」の言葉が聞き慣れず,困惑されている方も多いのではないだろうか.これは,Vascular Laboratoryの略語「Vascular Lab」のカタカナ表示であり,「血管検査室」と訳すことができる1).
近年は人口の高齢化や生活習慣の欧米化に伴って疾病構造が変化し,血管疾患が著しく増加している.特に生活習慣の変化に伴って糖尿病,高血圧,脂質異常症などが増加し,全身の動脈に「動脈硬化」を来し,全身の虚血性臓器障害〔脳血管障害,心筋梗塞,腎障害,閉塞性動脈硬化症(ASO)など〕が増加している(図1).それら「生活習慣病」や「虚血性臓器疾患」の診療を行う際,動脈硬化の「早期発見・早期治療」が必須である.また「動脈硬化性病変の発見や経過観察」などにおいても,頸動脈,腎動脈,末梢動脈などの「血管を直接観察する画像診断」および「機能評価」の重要性が認知されるようになった.さらに,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;VTE=深部静脈血栓症:DVT+肺塞栓症:PE)への関心も高まり,それらすべての血管疾患(表1)を評価する診断法のなかで,簡便かつ確実な画像診断および機能診断法としての「無侵襲検査法」へのニーズが高くなってきた.
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