Japanese
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特集 末梢動脈疾患
PADの画像診断
Image Diagnosis of Peripheral Artery Disease
吉牟田 剛
1
Tsuyoshi Yoshimuta
1
1金沢大学附属病院循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Kanazawa University Hospital
pp.825-834
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102298
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はじめに
末梢動脈疾患(peripheral artery disease;PAD),特に閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans;ASO)は,詳細な病歴聴取のもとで,足関節上腕血圧比(ankle-brachial systolic pressure index;ABI)の低下により診断される.診断後は,薬物,血管内治療,外科的治療などの治療方針を決定するために画像診断へと移行する.
一般的なPADの画像検査法として,血管エコー,multidetector-row computed tomography(MD-CT),magnetic resonance angiography(MRA),血管造影検査などが挙げられる.このなかでMRAは放射線被曝がなく,CTと比較して石灰化の影響を受けにくく血管内腔を描出することが可能だが,一方で高磁場のためペースメーカや人工内耳などの金属を有する患者には使用できないという限界がある.さらに,腎機能障害の患者に対するガドリニウム造影剤使用による不可逆的な全身硬化症を合併する可能性があることから,現在のところはPAD診断の汎用機器とならない.また,侵襲性の点からPADの診断目的のための血管造影はほとんど行わなくなってきている.
そこで本稿では,実際の臨床現場における,PADの診断と治療を考慮した血管エコー検査の手順,ならびにCTの活用方法について概説する.
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