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Current Opinion
動脈硬化の早期診断―PWVの役割
Evaluation of Atherosclerosis at Early Stage with Pulse Wave Velocity
松尾 汎
1
Hiroshi Matsuo
1
1松尾循環器科クリニック
1Matsuo Cardiovascular Clinic
pp.651-655
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100411
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動脈硬化の早期診断,特にPWVをめぐる最近1年間の話題
1 血管とともに老いる
「ヒトは血管とともに老いる」と言われ,「老化」により引き起こされる動脈の経年的変化とともに,「動脈硬化」による動脈系の血行障害や蛇行・拡張などの病態も付加されて,その進行が修飾される.それら動脈系の変化を評価,診断するには種々の検査法が用いられており,脈波検査や超音波検査を用いた動脈の弾性・硬度の経年的変化1),頸動脈壁の内膜・中膜複合体厚(intima-media thickness:IMT)の経年的変化2)およびその病態の定量的評価などが知られている.
2 生活習慣病と動脈硬化
重篤な致死的疾患である心筋梗塞や脳卒中などの循環器系疾患との関連が深い(誘因・原因)病態・疾患として糖尿病,高脂血症,高血圧症などが知られている.これら疾患は「生活習慣」との関連が深く,生活習慣によって発症したり,発症を免れたり,また軽減,逆に重症化したりすることから「生活習慣病」とも総称されている(表1).これら因子は重篤な循環器疾患,とりわけ「動脈硬化性」循環器疾患と関連して,「動脈硬化性危険因子」としても注目されている.
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