Japanese
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特集 末梢動脈疾患
アテローム血栓症(ATIS)におけるPAD
Peripheral Arterial Disease in ATIS
中村 正人
1
Masato Nakamura
1
1東邦大学医療センター大橋病院循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Toho University Ohashi Medical Center
pp.805-811
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102295
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はじめに
末梢動脈疾患(peripheral arterial disease;PAD)はビュルガー病が減少し下肢閉塞性動脈硬化症が主体となった.このため,下肢閉塞性動脈硬化症とPADは同義語になっている.このような疾病構造の変化は,ライフスタイル,食生活の欧米化や高齢化に伴うものであると考えられている.本邦における大規模なPADの疫学調査がないため,疾患頻度など詳細は明らかでないが潜在的患者を含めると300万~400万人に及ぶと推測されている.PADの臨床的意義は,末梢血管疾患に基づく症候にとどまらず,その予後は不良であり(死因は心血管疾患),重要な予後規定因子であることにある.
一方,近年アテローム血栓症(atherothrombosis;ATIS)が提唱されている.全身の血管病と捉えることの重要性を示唆する概念であり,PADはATISのハイリスク群である.本稿では,ATISの観点からPADについて概説する.
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