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特集 急性呼吸不全の呼吸管理
高齢者の急性呼吸不全の管理
Management of Acute Respiratory Failure in the Elderly
木村 智樹
1
Tomoki Kimura
1
1公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科
1Department of Respiratory Medicine and Allergy, Tosei General Hospital
pp.740-745
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102278
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はじめに
高齢者においては,もともと加齢に伴って呼吸機能は低下しており,COPDなどの呼吸器疾患の合併も多い.また“肺炎は老人の友”という言葉があるが,加齢による免疫能の低下や嚥下障害の合併など呼吸器疾患以外の合併症の影響を受けている可能性がある.そのため,高齢者における急性呼吸不全の管理が,成人と同様の成績が得られるか? という疑問がある.さらに高齢者の治療においては,積極的な治療をどこまで行うかという倫理的な問題もある.もともとの全身状態や基礎疾患から挿管非希望(do not intubate;DNI)の場合に,どのように呼吸管理を行うか悩むことも多い.一方で暦年齢と臓器機能は必ずしも一致するものではなく,社会的な背景や人生観なども集中治療に対する希望に影響を与えると思われる.
本稿では急性呼吸不全の呼吸管理において,高齢者ならではの問題について検討する.
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