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特集 急性呼吸不全の呼吸管理
救急外来における急性呼吸不全の管理
Management of Acute Respiratory Failure in the Emergency Department
富井 啓介
1
Keisuke Tomii
1
1神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kobe City Medical Center General Hospital
pp.731-739
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102277
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はじめに
急性呼吸不全の定義は室内気においてPaO2 60Torr未満であるが,同時にPaCO2 45Torr未満をⅠ型(低酸素血症性),45Torr以上をⅡ型(高炭酸ガス血症性)と分類される.本来これらの区別によって呼吸管理方法は異なるべきであるが,救急外来においては低酸素状態に脆弱である脳保護や循環不全による酸素供給低下に対する応急処置の目的で,とりあえず低酸素血症の改善を優先して高濃度酸素投与される場合が多い.しかしパルスオキシメーターで救急到着時もしくは到着前から酸素飽和度をモニターでき,また酸素投与法や人工呼吸器に格段の進歩がある現在,当初から病態に応じて目標酸素飽和度や換気量を設定して精緻に呼吸管理を行うべき時代に来ていると考えられる.
本稿では救急外来における急性呼吸不全の管理方法として酸素療法,非侵襲的換気療法(NIV)を中心に解説し,侵襲的人工呼吸の詳細については他稿に譲る.
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