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Current Opinion
COPDの新規治療薬
New Drugs in Treatment for COPD
佐藤 晋
1
,
室 繁郎
1
,
新実 彰男
1
Susumu Sato
1
,
Shigeo Muro
1
,
Akio Niimi
1
1京都大学医学部呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Kyoto University Hospital
pp.569-574
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100872
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COPDの新規治療薬をめぐる最近1年間の話題
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に関しては,世界的なガイドラインであるGOLDや本邦で2004年に改訂された「COPD診断と治療のためのガイドライン(第2版)」に記載されているとおり,薬物療法の主体は吸入気管支拡張薬である.さらに最重症(stage4)患者や急性悪化を頻回に来す患者に対して吸入ステロイド薬が推奨されている.他に本邦独自の貼付剤,経口気管支拡張薬など併せCOPD治療薬は多岐に及ぶが,その一方で非専門家には依然として「治療しがいのない疾患」と捉えられており,旧来の薬剤は臨床現場で実感しうるほどの顕著な治療効果には至らないのが現状であった.
近年,新たなエビデンスが次々と立証されるとともに,欧米で好成績を示した新規治療薬が本邦でも順次導入され,治療は大きな進歩を遂げている.具体的には,強力な長時間作用型吸入気管支拡張薬の登場により服薬コンプライアンスの改善,持続する気管支拡張効果に伴い運動耐容能の改善,急性悪化の減少,QOL改善などの効果が得られている.2006年の最大のトピックとしてはGOLDガイドラインの改訂1)が挙げられるが,その定義において,「予防と治療が可能な疾患である」との記述が追加されている.禁煙・ワクチン接種という予防策だけではなく,treatableな疾患として一般医家に認知されるように,学会などの主導で啓蒙活動が活発に行われている.
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