巻頭言
臨床試験とヒトの多様性
萩原 弘一
1
1埼玉医科大学呼吸器内科
pp.893
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102046
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この10年,私が大きな意識改革を迫られた臨床医学的事項を挙げるとすれば,臨床試験の枠組みの理解とヒト多様性の認識であろうか.
医学部を卒業したころ,臨床研究といえば,古いカルテをひっくり返し,昔のデータを集めることが中心だった.学生時代に前向き研究,後ろ向き研究の違いは学習したが,何が両者の違いなのか,全く理解不能だった.卒後に没頭した分子生物学研究では,前向き研究,後ろ向き研究を区別する機会も,またその必要性も存在しなかった.
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