巻頭言
「若手」と多様性
本田 哲也
1
Tetsuya HONDA
1
1浜松医科大学皮膚科学講座,教授
pp.7-8
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004936
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「若手医師」「若手皮膚科医」「若手研究者」等,「若手○○」という言葉を日々多数目にします。「若手」に限らず,「若」という言葉は多くの場合,ポジティブな表現のひとつあるいはポジティブな文脈のなかで使われているように思います。「若いエネルギー」「貴重な若手」「若手の柔軟で斬新な発想」……。そして,それら「若手」を大事にしていこう,モチベーションを維持,高めていけるようサポートしよう,という試みが,社会一般,医学界,皮膚科学会,などさまざまな分野で行われています。この原稿の執筆依頼要項(執筆のポイント)にも「若手の先生を勇気づけるようなメッセージなど……」といったことが記載されてあります。先の世代が次の世代をさまざまな形でサポートしていく,サポートを受けた世代がまた次の世代をサポートしていく,このような循環は,社会がよりよい方向に向かうためにはとても大切なことと思います。しかし,私はあるときからこの「若手」という言葉の使い方に,どこかしっくりしない軽い違和感を覚えるようになりました。
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