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特集 新しい肺炎の概念:医療・介護関連肺炎
医療・介護関連肺炎における耐性菌の重要性
Significance of Resistant Pathogens in Patients with Nursing and Healthcare-associated Pneumonia
進藤 有一郎
1,2
,
長谷川 好規
2
Yuichiro Shindo
1,2
,
Yoshinori Hasegawa
2
1名古屋大学高等研究院
2名古屋大学大学院医学系研究科呼吸器内科学
1Institute for Advanced Research, Nagoya University
2Department of Respiratory Medicine, Nagoya University Graduate School of Medcine
pp.579-582
発行日 2012年6月15日
Published Date 2012/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101976
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ポイント
・医療・介護関連肺炎(NHCAP)では,肺炎球菌,クレブシエラ属・大腸菌などの腸内細菌,黄色ブドウ球菌が分離されやすく,また緑膿菌やMRSAなどの耐性菌も分離されることがあり,市中肺炎(CAP)とは原因菌分布が異なる.
・従来のCAP,誤嚥性肺炎との診断で初期抗菌薬を選択すると,感受性を持たない不適切な抗菌薬使用が増え,この不適切な抗菌薬使用と耐性菌には関連性がある.
・耐性菌(緑膿菌,MRSA,ESBL産生腸内細菌など)のリスク因子は「過去90日以内に2日以上の広域抗菌薬の使用歴」と「経管栄養」である.
・耐性菌(緑膿菌,MRSA,ESBL産生腸内細菌など)の危険因子の陰性的中率は高いが陽性的中率は低い.つまり,耐性菌のリスク因子がなければ,抗緑膿菌活性を有するあるいは抗MRSA抗菌薬を使用する必要性は乏しい.
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