Japanese
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特集 難治性びまん性肺疾患克服への取り組み
慢性過敏性肺炎
Chronic Hypersensitivity Pneumonitis
宮崎 泰成
1
,
稲瀬 直彦
1
Yasunari Miyazaki
1
,
Naohiko Inase
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院呼吸器内科
1Department of Integrated Pulmonology, Tokyo Medical and Dental University Hospital Faculty of Medicine
pp.397-404
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101934
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はじめに
過敏性肺炎は,特定の抗原(鳥などの動物由来の蛋白,真菌,細菌やイソシアネートなどの無機物)に反応する特異抗体(Ⅲ型アレルギー)と感作リンパ球(Ⅳ型アレルギー)が肺局所においてアレルギー反応を起こす間質性肺炎の一つである.臨床像から急性発症と慢性発症に分類すると分かりやすい(図1)1).従来その病型は,急性,亜急性,慢性と分けられていた.しかし,本来の急性は臨床の場では遭遇することは少なく,さらに亜急性との区別も難しいため2),急性と亜急性を急性とし,慢性を再燃症状軽減型と潜在性発症型に分類するのが妥当と考えられる3).病理組織学的には,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias;IIPs)と同様に様々な病理パターンを呈し,その約3分の2を占める潜在性発症型はUIP(usual interstitial pneumonia)パターンを呈することが多く,IPF(idiopathic pulmonary fibrosis)と同様に予後不良で,5年生存率は45%程度である4).
本稿では,難治性疾患であるIIPs,あるいはIPFの鑑別としてまず重要な慢性過敏性肺炎の臨床像,診断,治療について解説する.
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