Japanese
English
連載 呼吸器診療での肺機能検査の必要性とその活用・2
コンプライアンス・気道抵抗
Compliance,Airway Resistance
黒澤 一
1
Hajime Kurosawa
1
1東北大学大学院医学系研究科産業医学分野
1Department of Occupational Health, Tohoku University Graduate School of Medicine
pp.173-177
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101890
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コンプライアンス
コンプライアンス(compliance)と気道抵抗は,換気の力学的特性を表現するために必要な肺の弾性特性および気道の粘性抵抗を表す指標である.本項では,測定と臨床的意義についてその概要を述べる.
1.静肺コンプライアンスの概念
肺は一種の弾性体である.気道を大気に開放した状態で開胸すると,肺自体の弾性力のため肺は収縮し虚脱していく.この収縮力は主に肺実質中に存在するエラスチンの弾性に起因する.生理的な状態では,胸腔は閉じた空間となって内圧が陰圧であるため,収縮しようとする弾性力に拮抗し,肺は胸郭の中で膨らんだままの状態を維持できている.
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