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Current Opinion
気管支喘息治療をめぐる最近の動向と新しい治療薬の可能性
Asthma Treatment:An update on new medications
東元 一晃
1
,
貞村 ゆかり
1
,
井上 博雅
1
Ikkou Higashimoto
1
,
Yukari Sadamura
1
,
Hiromasa Inoue
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科呼吸器内科学
1Department of Pulmonary Medicine, Kagoshima University Graduate School of Medical and Dental Sciences
pp.1239-1245
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101849
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喘息治療をめぐる全般的な話題
2010年のわが国における1年間の喘息死亡者数は2,062人,この10年でほぼ半減してきた(図1).この死亡者数減少の要因としてまず挙げられるのが吸入ステロイドを中心とする標準治療の普及であるが,他にも様々な機序を持つ治療薬の開発,さらにこれら薬剤使用および管理の指針を示すガイドラインの進歩も大きな役割を果たしてきたと考えられる.
2009年秋,日本アレルギー学会は「喘息予防・管理ガイドライン」をJGL2009として全面的に改訂を行った1).改訂の主なものは治療薬の調節方法で,従来の「重症度」別の治療強度調節に対して,JGL2009では長期管理薬の用量および使用薬剤数(種類)により4段階の「治療ステップ」に分類し(国際ガイドラインGINAでは5段階),その時々の「コントロール状態」評価に基づきステップアップ,ステップダウンを行うように変更された.また,分類法については,最近,肺機能や発症年齢などの臨床病型を加味したクラスター分類も提唱されており2),それを基にした治療方針決定も検討されている.
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