Japanese
English
特集 慢性炎症と循環器疾患
小胞体ストレスによる慢性炎症と心血管病
Endoplasmic Reticulum Stress-induced Chronic Inflammation and Cardiovascular Disease
古橋 眞人
1
,
石村 周太郎
1
,
小山 雅之
1
Masato Furuhashi
1
,
Syutaro Ishimura
1
,
Masayuki Koyama
1
1札幌医科大学内科学第二講座
1Second Department of Internal Medicine, Sapporo Medical University School of Medicine
pp.865-871
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101777
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はじめに
近年,種々の疾患(がん,アルツハイマー病などの神経変性疾患,糖尿病,動脈硬化性疾患,自己免疫疾患など)の局所において炎症細胞の浸潤と慢性的な炎症が観察され,それが組織変性と疾患の重症化の重要な要因となっていることが明らかになってきている.一方,小胞体は,分泌蛋白質や膜蛋白質の品質を管理するオルガネラとして重要な役割を果たしている1~3).小胞体の機能に破綻が生じると,高次構造の異常な蛋白質が蓄積し,細胞は恒常性を維持するために様々な小胞体ストレス応答を呈するようになる.その一連の応答は,慢性炎症疾患を含む様々な病態と関連することが明らかになってきている.
本稿では,最近の研究成果を交えながら特に炎症を基盤とした小胞体ストレスと心血管・代謝疾患との関連について概説する.
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