Japanese
English
特集 慢性炎症と循環器疾患
動脈硬化の慢性炎症とイメージング
Chronic Inflammation and in vivo Imaging in Atherosclerosis
大坂 瑞子
1
Mizuko Osaka
1
1東京医科歯科大学先進倫理医科学
1Lifescience and Bioethics Research Center, Tokyo Medical and Dental University
pp.857-863
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101776
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
動脈硬化症の発症,進展の過程においては血管内膜と白血球の相互作用が重要である.この現象は,発症初期より病変の進行に関与し,最終的なプラーク破裂にも血球成分の関与は重要である.したがって,動脈硬化症とは血管内膜で進行する慢性炎症と考えられる.治療的側面からは,発症初期における白血球接着現象を抑制することが動脈硬化症の進展抑止につながることから,初期段階における接着現象メカニズムの解明が注目されている.しかし,これまで特に大血管での白血球接着現象をリアリタイムで評価するシステムがなかった.われわれは,数年前より大血管における白血球接着を観察するためのイメージングシステム,intravital microscopy(IVM)を構築し,大血管においても血管壁と白血球の接着が動脈硬化症初期にみられることが確認された.
本稿では,このシステムを用いることによって明らかとなった白血球接着現象について概説する.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.