Japanese
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特集 動脈硬化の臨床
炎症性疾患としての動脈硬化
Atherosclerosis as an Inflammatory Disease
倉林 正彦
1
Masahiko Kurabayashi
1
1群馬大学医学部第二内科
1Second Depart-ment of Internal Medicine, Gunma University School of Medicine
pp.537-543
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100665
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はじめに
Rossらによって,動脈硬化の進展に血管の炎症が中心的な役割をもっていることがこの10年間で明らかにされてきた1).また,動脈硬化病変における炎症が全身の炎症反応を引き起こしていることが生化学的に検出され,心血管病診療に新たな展開がみられている.例えば,血漿中CRPやIL6濃度が高値の群では,心血管イベントのリスクが高い.そして炎症性サイトカインだけでなく,CRPも直接的に動脈硬化病変の形成に関与している可能性が提唱されている.さらに,冠動脈疾患の重要なリスク因子として炎症が認識されるようになって,一次予防,二次予防の戦略が大きく変わってきている.
本稿においては,動脈硬化の成因を炎症の観点から述べてみたい.
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