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Current Opinion
閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的経中隔心筋焼却術(percutaneous trans-septal myocardial ablation;PTSMA)治療
Percutaneous Trans-septal Myocardial Ablation for Hypertrophic Obstructive Cardiomyopathy
橋村 一彦
1
Kazuhiko Hashimura
1
1八尾市立病院内科
1Department of Internal Medicine and Cardiology, Yao Municipal Hospital
pp.717-721
発行日 2011年7月15日
Published Date 2011/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101743
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肥大型心筋症に対するPTSMA治療に関する最近の全般的な話題
[1] はじめに
肥大型心筋症(HCM)の全死亡率は年間約1%で,心血管合併症には狭心症様胸痛,心不全悪化,突然死などがある.HCMの25~30%に左室流出路閉塞を合併(閉塞性肥大型心筋症:HOCM)し,この流出路閉塞の存在は予後規定因子でもある.HOCMに対する治療はβ遮断薬,カルシウム拮抗薬やⅠa抗不整脈薬(ジソピラミド,シベンゾリン)などの薬物治療が第一選択になるが,薬物治療無効の症例も少なからず存在する.HCMに対する非薬物治療として,1995年以前はseptal myectomy(心筋切除)/myotomy(心筋の長軸方向に割を入れる;longitudinal incision)がHOCMに対するgold standardと考えられていた.圧較差の是正に有効であるばかりではなく,突然死の頻度を下げ,NYHA classの改善効果も確立されていた.また,経験の豊富な医療機関での術後死亡率も1~2%まで低下してきていた1).一方,PTSMAは1995年の導入2)以降,確実に症例数を増やしており全世界で5,000例を超えており,過去45年間のmyectomy症例数を超えるようになってきている3).
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