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特集 気管支喘息 最新の話題
分子標的薬治療
Treatment with Molecularly Targeted Drugs for Bronchial Asthma
多賀谷 悦子
1
Etsuko Tagaya
1
1東京女子医科大学内科学第一講座
1First Department of Medicine, Tokyo Women's Medical University
pp.1167-1172
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200052
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はじめに
喘息の長期管理は,吸入ステロイド(ICS)を中心とする抗炎症療法の普及に伴い著明に改善し,死亡者数はこの15年で約3分の1に減少した.しかし,ICSをはじめ通常の抗喘息薬ではコントロールが困難な,いわゆる重症難治性喘息が存在する.その患者数は全喘息患者の5〜10%にすぎないが,疾患の管理や治療に費やされる医療コストは喘息全体の50%近くを占めるといわれている.したがって,重症難治性喘息に対する新しい薬剤を開発することは,今後の喘息診療の大きな課題の一つである.
一方,喘息は臨床的に多様な病像を示す疾患群であることより,フェノタイプ毎の治療の重要性が指摘されている.また,最近では分子レベルや遺伝子レベルに基づくエンドタイプによる分類も行われており,重症難治性喘息もフェノタイプやエンドタイプに沿った効果的な新規治療が望まれる.そして,最新の治療として,バイオテクノロジーを駆使した生物学製剤が開発されており,その有効性が期待されている.
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