Japanese
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特集 呼吸器疾患と分子標的治療
COPDに対する分子標的治療
Molecular Targeted Therapy for COPD:Perspective
松元 幸一郎
1
Koichiro Matsumoto
1
1九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設
1Research Institute for Diseases of Chest, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
pp.995-1003
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101556
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はじめに
COPDは増加の一途をたどっており,全世界的規模で取り組むべき重要な健康問題の一つである.COPDの予防と進行の抑制には禁煙が最優先されるが,患者に対して適切な薬物療法を行うことも求められる.しかし,現在使用できる薬剤の選択肢は気管支拡張薬,副腎皮質ステロイド薬,喀痰調整薬などに限られている.これらの一部は大規模研究によって症状の軽減のみならず増悪の減少効果や進行の抑制効果も有することが示されつつあるが,その効果は十分とは言い難い.薬剤の選択肢を増やし,患者個別の病態に即した治療の実現が遍く希求されている.
本稿では,COPDの病態についての研究で明らかにされてきた知見からどのような分子標的薬が候補となるかを提示する.
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