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Current Opinion
大規模試験からみたCOPD薬物治療の有用性
Efficacy of Pharmacological Therapy for COPD Patients: Lessons from mega-studies
一ノ瀬 正和
1
Masakazu Ichinose
1
1和歌山県立医科大学内科学第三講座
1Third Department of Internal Medicine, Wakayama Medical University
pp.1183-1189
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101374
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最近1年間のCOPD治療に関する話題
近年,COPD治療に用いられる薬物の改良,すなわち薬効の長時間作用型化,吸入デバイス改良,配合剤化などが進んだ.こうした薬剤の進歩に伴い,COPDに対する薬物介入の大規模試験もこの近年盛んに行われ,長時間作用型気管支拡張薬(抗コリン薬およびβ2刺激薬)が症状の大きな改善効果を示すとともに,増悪頻度を抑制することが明らかとなった.その結果,COPDは,以前の「治療に反応性が乏しい疾患」という考え方から,「予防と治療が可能な疾患」といった捉え方に変わってきた1).吸入ステロイドも重症以上の患者で増悪を抑制し,長時間作用型β2刺激薬/吸入ステロイド配合薬や長時間作用型抗コリン薬は,COPD患者の死亡率も低下させる可能性まで示した.こういった大規模試験の結果は,COPD患者への積極的医療介入の呼び水となり,これまでのCOPDの過小診断・治療は改善されつつある1).
こういったなかで日本呼吸器学会は「COPDの診断治療のガイドライン第3版」を2009年7月に発刊し,COPDの薬物治療の大きな有効性に関するエビデンスを紹介している2).
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