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特集 マルファン症候群
マルファン症候群の心血管合併症とその内科的管理
The Medical Therapy for Cardiovascular Complications of Marfan's Syndrome
青山 武
1
Takeshi Aoyama
1
1市立島田市民病院循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Shimada Municipal Hospita
pp.1105-1112
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101362
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はじめに
フランスの小児科医であるAntoine Marfanが,1896年に初めて骨格に異常を有する5歳の女児の症例を報告した.その後,水晶体偏位(ectopia lentis)(1914年)を合併すること,常染色体優性遺伝の遺伝形式を有すること(1931年),解離性大動脈瘤や大動脈の拡張を来すこと(1943年),さらには,僧帽弁逸脱症(1983年)や硬膜拡張(dural ectasia)(1988年)がマルファン症候群において認められることが明らかとなった.これらの情報を基に臨床診断基準が作られた.
マルファン症候群は上記のように多彩な症状を呈するが,生命予後は心血管系の合併症によって左右される.従来は大動脈の拡張予防にβブロッカーが治療薬として用いられてきたが,原因遺伝子の発見,変異マウスモデルによる病因の検索によって多大な進歩が認められ,その内科治療も大きく変わりつつある.
本稿ではマルファン症候群の病因とその治療法について最新の知見を交えて述べる.
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