Japanese
English
綜説
左房機能と肺静脈血流および心房細動
Left Atrial Function,Pulmonary Venous Flow Pattern and Atrial Fibrillation
丸山 徹
1
,
平松 伸一
2
Toru Maruyama
1
,
Shin-ichi Hiramatsu
2
1九州大学健康科学センター
2九州大学大学院病態修復内科学
1Institute of Health Science, Kyushu University
2Department of Medicine and Biosystemic Science, Kyushu University
pp.929-934
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101330
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はじめに
心房細動(atrial fibrillation;AF)は加齢とともにその有病率が高くなり,発作性(paroxysmal AF)から慢性(chronic AF)へと進行性を示す1).心房細動の成因として肺静脈などの異所性興奮が近年注目され,このような巣状興奮による心房細動は巣状心房細動(focal AF)と呼ばれる.巣状心房細動は特殊な心房細動ではなく,薬物抵抗性で頻回に細動発作を繰り返す例では9割に肺静脈内の巣状興奮を認めるとされる2).また,加齢や軽症高血圧以外に器質的心疾患のない孤立性(lone AF)または非弁膜症性の心房細動(nonvalvular AF)も左室拡張障害から左房,肺静脈の伸展により発症する3).肺静脈には左房から連続的に心房筋(肺静脈筋袖:myocardial sleeve)が進展している.その形態や電気生理学上の検討はなされているが血行動態に関連した報告は少ない.そこで肺静脈の血流を心周期や左房機能と併せて考え,次いで心房細動における肺静脈筋袖の意義を肺静脈血流パターンとの関連で考えてみたい.
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