Japanese
English
Bedside Teaching
肺静脈起源の心房細動
Atrial Fibrillation Originating from the Pulmonary Vein
高橋 淳
1
,
家坂 義人
1
Atsushi Takahashi
1
,
Yoshito Iesaka
1
1土浦協同病院循環器センター内科
1Cardiology Division, Cardiovascular Center Tsuchiura Kyodo Hospital
pp.393-398
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902077
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はじめに
心房細動は最も頻度の多い不整脈として知られ,その機序は複数の興奮波が解剖学的あるいは機能的伝導ブロック部位の周囲を旋回するmulti—ple reentrant wavelet仮説1,2)が提唱されてきた.しかしながら,近年Jalsら3)は,少数例ながら,心電図上心房細動の特徴を有するものの,その機序は単一起源(特に肺静脈起源)からの持続的な発火(discharge)による頻拍を“focal atrial fibrilla—tion”として報告した.またHaissaguereら4)は,発作性心房細動の起始が94%の症例において肺静脈起源からの心房性期外収縮およびその発火によるものであり,心房細動の起始における心房性期外収縮の関与を報告した.彼らの報告は,心房細動の起始および維持における肺静脈起源の関与を示唆するものであり,治療面において新たな展開が期待され,今日,注目されている.
本稿においては,心房細動の発生における肺静脈起源の役割および,そのアブレーション治療に関し解説する.
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