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Current Opinion
肺癌の放射線療法(化学療法との比較も含めて)
Radiotherapy for Non-small Cell Lung Cancer
小塚 拓洋
1
Takuyo Kozuka
1
1財団法人癌研究会有明病院放射線治療科
1Department of Radiation Oncology, Cancer Institute Hospital
pp.629-633
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101283
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肺癌の放射線治療と化学療法の最近1年間の話題
[1] 肺定位照射
I期の非小細胞肺癌に対する標準治療は,外科治療である.しかし,日本人の平均寿命が延長した結果,高齢者肺癌の増加,低肺機能,その他の合併疾患により手術不能な症例も増加している.これらの手術不能,または手術拒否のT1N0M0早期非小細胞肺癌を中心に体幹部定位放射線療法が行われている.この治療は1990年代後半から精力的に行われ,各施設から90%を超える良好な局所制御率が報告されてきた.これらの結果を受けて行われた「JCOG0403T1N0M0非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線療法第II相臨床試験」も2008年11月に症例集積が完了し,現在経過観察中である.
一方,3cm以上の原発性肺癌や転移性肺癌については,治療法に一定の基準はなく施設毎に線量や分割回数等が異なっている.T2N0M0の非小細胞肺癌に対する定位放射線療法の推奨線量を決定するため,「JCOG0702手術不能または高齢者手術拒否T2N0M0非小細胞肺癌に対する体幹部定位放射線療法第I相試験」が現在進行中である.近年,非小細胞肺癌に対する定位照射は海外でも広く行われるようになり,2009年のNCCNガイドラインでも最大5cmまでのリンパ節転移のない非小細胞肺癌に対し,定位照射を考慮するようにと記載されるようになった1).
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