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Current Opinion
急性期感染性心内膜炎の手術の適応
Surgical Treatment in Patient with Acute Infective Endocarditis
庄村 遊
1
,
岡田 行功
1
Yu Shomura
1
,
Yukikatsu Okada
1
1神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外
1Department of Cardiovascular Surgery, Kobe City Medical Center General Hospital
pp.635-640
発行日 2009年6月15日
Published Date 2009/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101284
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急性期感染性心内膜炎の手術をめぐる最近1年間の話題
感染性心内膜炎(infective endocarditis;IE)は,病原微生物が心内膜あるいは大動脈内膜に着床し,炎症を生じて組織破壊をもたらす疾患であり,塞栓症の原因となりうる疣腫vegetationを弁膜に有する重篤な敗血症である.診断基準は,血液培養所見と心エコー図による心内膜障害所見を確定診断の二本の柱としたDukeの臨床的診断基準1)が一般的に用いられている.
IEの発症は10万人あたり年間2~10人2)と頻度は多くないものの,急速な弁膜の破壊に伴って高度の心不全を発症するため,抗生剤の発達した現在においても,IEの死亡率は20~25%2,3)といわれ,依然として高い.手術成績においても,非感染性弁膜症と比べ良好な成績が得られていないのが現状で,Davidら4)は活動期IEの383例を検討しているが,手術死亡率12%,遠隔期死亡率23%であり,術後15年の生存率は44%,IE再発および再手術回避率は86%,70%と報告している.さらに,自己弁IE(NVE)より人工弁感染性心内膜炎(prosthetic valve endocariditis;PVE)のほうが予後不良で,術後15年の生存率はNVE59%,PVE25%であったとしている.
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