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特集 肺癌診療の進歩
肺癌放射線療法の現状と展望
Current Status and Perspectives of Radiation Oncology for Lung Cancer
西村 恭昌
1
Yasumasa Nishimura
1
1近畿大学医学部放射線医学講座・放射線腫瘍学部門
1Department of Radiation Oncology, Kinki University School of Medicine
pp.1213-1219
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101162
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はじめに
近年,肺癌や前立腺癌など高齢者のがん患者が増加し,これらの癌では機能と形態を温存できる放射線治療が有用である.放射線療法は高齢者や合併症を有する患者にも比較的安全に行えるがんの根治的治療法であり,肺癌診療ガイドライン(2005年版)においても1),早期および局所進行非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer;NSCLC),また限局型小細胞肺癌(limited disease small cell lung cancer;LD-SCLC)のいずれにも適応がある.根治的照射のほかにも,骨転移や脳転移などに対する緩和的照射,小細胞肺癌に対する予防的全脳照射(prophylactic cranial irradiation;PCI)なども広く行われている.
放射線治療による成績を向上させるには,1)空間的線量分布の改善により標的体積に高線量を集中する,2)時間的線量配分の改善により照射期間を短縮し腫瘍の再増殖を抑制する,3)放射線の効果を化学療法や温熱などで増強するなどの方法がある(表1).ここでは,この観点から肺癌に対する放射線療法の進歩と展望をまとめる.
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