Japanese
English
特集 呼吸器疾患診断の進歩―形態と機能の系統的評価
遺伝子診断
Genetic-based Pulmonary Medicine
瀬戸口 靖弘
1
,
河野 雄太
1
Yasuhiro Setoguchi
1
,
Yuta Kono
1
1東京医科大学内科学第一講座
1First Department of Internal Medicine, Tokyo Medical University
pp.375-384
発行日 2009年4月15日
Published Date 2009/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101237
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はじめに
2003年にヒトゲノムプロジェクトが完了し,生命の設計図といわれるヒトゲノムの塩基配列が明らかになったことによりポストシークエンスという局面に入った.遺伝子解析の技術革新も相まって単一遺伝子異常を有する稀少疾患だけでなく,高血圧,糖尿病などの生活習慣病のような多因子の影響を受けるcommon diseaseに対する遺伝的背景も明らかにされつつある.また,遺伝子は約2万5千ぐらい存在するだろうと予測されているが,その遺伝子がコードする蛋白は更に1桁多く存在するだろうともいわれている.これらゲノミクス,プロテオミクスから得られた情報を解析することで疾病の予防,診断,治療に生かそうとする取り組みが多くの医学,生命科学の分野で進んでいる.
本稿では,ゲノムから蛋白までの一連の過程で体系化された分野を総論として紹介し,呼吸器疾患,特に肺癌,びまん性肺疾患,閉塞性肺疾患についてこれらの分野により明らかになった点を取り上げてみたい.
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