今月の主題 臨床医のための遺伝子工学
ベッドサイドで可能な遺伝子診断
遺伝子診断概論:遺伝子解析と診断
田中 一
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1新潟大学脳研究所臨床神経科学部門神経内科学分野
キーワード:
OMIM
Keyword:
OMIM
pp.2090-2093
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904796
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分子遺伝学の長足の進歩を背景に,近年,遺伝子解析・遺伝子診断が爆発的普及をみせている.最近は研究機関の基礎的研究にとどまらず,疾患によっては第一線の実地診療において日常的検査として様々な診断レベルで応用されるに至っており,民間の臨床検査施設でも解析可能な遺伝子項目が増えつつある.
一概に遺伝子診断といっても,その対象はメンデル型遺伝形式を示す単一遺伝子病から,生活習慣病に代表されるような多因子遺伝病,癌などの体細胞遺伝子病,染色体異常,感染症,個体識別にまで多岐にわたっている.単一遺伝子病は,Victor A. McKusickによるMenderian Inheritance in Manと呼ばれるカタログに詳細が収録されているが,最近はサイバースペースの隆盛により,インターネット経由でいつどこからでもこれらの情報を入手することが可能となっている.このオンラインで検索可能なカタログはOMIM(Online Menderian Inheritance in Man)と呼ばれ,米国のNCBI(National Center for Biotechnology Information)によりホームページ(http://www3.ncbi.nlm.nih.gov/Omim/)の維持管理が行われている.
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