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特集 疾患感受性遺伝子解析による呼吸器疾患の病態解析
ゲノム解析による肺線維症疾患感受性遺伝子探索
Genome Associated Analysis to Identify Susceptible Loci for Pulmonary Fibrosis
瀬戸口 靖弘
1
Yasuhiro Setoguchi
1
1東京医科大学内科学第一講座呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Tokyo Medical University
pp.919-925
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102318
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はじめに
肺線維症は,肺癌と並ぶ予後不良な呼吸器疾患である.ここ10年間の間に肺癌は,分子レベルで発癌の機序が徐々に明らかになり分子標的治療薬の開発が進行し,実際,既に3種類の薬物が臨床の場で使用され,臨床試験中の薬剤も控えている現状である.一方,肺線維症については,surfactant protein C遺伝子,ATP-binding cassette A3遺伝子などの肺胞Ⅱ型上皮細胞のsurfactant生成,分泌に関わる遺伝子変異による間質性肺炎,肺線維症の発症原因遺伝子が明らかになったが肺線維症全体からすると極めてごく一部である1,2).大部分の肺線維症の原因遺伝子,感受性遺伝子については,Genome Wide Association Study(GWAS)によりMUC5B遺伝子(MUC5B)3,4),telomere関連遺伝子5)に注目が集まっている.本稿では,ゲノム解析のなかでGWASとは何か,またこれまでゲノム解析にて肺線維症との関連性が明らかになった遺伝子について解説を加える.
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