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Bedside Teaching
クオンティフェロンTB-2G(QFT)の有用性
Clinical Utility of QFT-2G
鈴木 克洋
1
Katsuhiro Suzuki
1
1国立病院機構近畿中央胸部疾患センター
1NHO Kinki-chuo Chest Medical Center
pp.299-303
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101225
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はじめに
ツベルクリン反応は,結核菌培養ろ液に含まれるタンパク抗原を皮内に接種し,結核菌に対する遅延型アレルギー反応の強さから,結核感染の有無を推定する検査法である.戦前から汎用されてきたが,世界で最も熱心にBCGを接種してきたわが国では,多くの国民が陽性反応を示すため,その有用性には限界があった.用いるタンパク抗原の大部分がBCGにも存在するためであることは説明を要しないであろう.特に結核患者に接触する機会が多い医療従事者は,ブースター効果により強い反応を示すことが多い.そのため多くの医師や看護師が,「あなたは既に結核に感染している」との誤った太鼓判を押されてきたのである.結核の再感染はないとの間違った信念も加わり,医療従事者は結核感染の危険性がないという「伝説」を生むもとにもなった.クオンティフェロンTB-2G(QFT)の開発という技術革新が,このような「伝説」を打ち破ったのである.
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