Japanese
English
綜説
冠動脈疾患とOCT
Coronary Artery Disease and OCT Image
有田 祐
1
,
中村 信男
1
,
赤阪 隆史
1
Yu Arita
1
,
Nobuo Nakamura
1
,
Takashi Akasaka
1
1和歌山県立医科大学循環器内科
1Department of Cardiovascular Medicine, akayama Medical University
pp.291-298
発行日 2009年3月15日
Published Date 2009/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101224
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はじめに
急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)発症の引き金となる局所病態は主に不安定プラークの破裂と,それに引き続いて起こる血栓形成である.不安定プラークの病理学的特徴は,65μm以下の菲薄化した線維性被膜,大きな脂質コア,線維性被膜内あるいはその周辺の活性化されたマクロファージを中心とした炎症性細胞の集簇などであるが,このような不安定プラークを破裂前にin vivoで診断することは,冠動脈造影や血管内超音波法(IVUS)などの従来の画像診断法では困難であった.近年,近赤外線と最新の光信号処理技術を用いて冠動脈を詳細に観察する光干渉断層法(optical coherence tomography;OCT)が開発され,その優れた画像解像度から不安定プラークを含む血管壁の微細構造を生体内で評価することが可能となった.
本稿では,OCTの概略と冠動脈疾患の日常診療における有用性について述べる.
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