Japanese
English
Current Opinion
循環器疾患のMRI
Cardiac MRI
石田 七香
1
,
佐久間 肇
1
Nanaka Ishida
1
,
Hajime Sakuma
1
1三重大学医学部附属病院画像診断科
1Department of Radiology, Mie University Hospital
pp.741-747
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101078
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最近1年間の循環器疾患のMRIをめぐる話題
心臓MRIでは,最近撮影法の進歩と診断・治療方針決定における有用性を示すエビデンス集積が急速に進んでいる.遅延造影MRIは心筋梗塞患者における心筋バイアビリティ診断,右室梗塞の検出1)や無症候の内膜下梗塞・小梗塞の検出2)に有効である.負荷心筋パーフュージョンMRIは空間解像度が高く,内膜下虚血も明瞭に描出され,最近のマルチセンタースタディでは冠動脈多枝病変において負荷心筋SPECTよりも有意に高い診断能が示されている3).また,冠動脈疾患患者の予後評価における遅延造影MRI4,5)や負荷心筋パーフュージョンMRI6~8)の有用性も明らかになっている.
シネMRIは骨や空気の影響を受けず,任意方向の撮影断面における心臓の動画像を撮影できる特長を持ち,現在最も正確な心機能と局所壁運動の診断法である9).最近ではパラレルイメージングなどの高速撮影法の進歩により,時間分解能10ミリ秒程度のシネMRI撮影も可能となり,マルチスライスCTでは困難な左室拡張機能の評価も行える.k-t BLASTはシネMRIや心筋パーフュージョンMRIなどの動画撮影を5倍以上高速化できる新しい高速撮影法であり10),1回呼吸停止撮影で心臓全体の3D動画像が得られ,検査終了後に任意方向のスライス断面(左室短軸像,長軸像,四腔断像など)のシネMRIを再構成できる.
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