特集 臨床MRIを基礎から知る−さまざまな角度からMRIの魅力に迫る−
[胸部領域]
心臓–心筋疾患における心臓MRIの役割
伊藤 絵
1
,
石田 正樹
1
,
佐久間 肇
1
1三重大学医学部附属病院 放射線科
キーワード:
シネMRI(cine MRI)
,
T2強調像(T2 weighted image)
,
遅延造影MRI[late gadolinium enhanced(LGE)MRI]
,
T1/T2マッピング(T1/T2 mapping)
,
細胞外容積分画(extracellular volume fraction;ECV)
Keyword:
シネMRI(cine MRI)
,
T2強調像(T2 weighted image)
,
遅延造影MRI[late gadolinium enhanced(LGE)MRI]
,
T1/T2マッピング(T1/T2 mapping)
,
細胞外容積分画(extracellular volume fraction;ECV)
pp.94-99
発行日 2023年4月30日
Published Date 2023/4/30
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001264
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▶ 心臓MRIは左室の形態・機能および心筋組織性状評価に優れる。
▶ 心筋疾患の診断にはシネMRI,遅延造影MRI,造影前後のT1マッピングを撮影する。急性期の炎症や心筋障害が疑われる場合にはT2強調像やT2マッピングを追加する。
▶ シネMRIを撮影して左室の形態・機能を評価する。
▶ 遅延造影MRIは心筋梗塞や心筋の壊死,線維化などを高信号に描出する。一方,心筋のびまん性の異常を評価するのには向かない。
▶ T1マッピングでは,造影前のT1値であるnative T1と,造影前後のT1値と,ヘマトクリットから計算される細胞外容積分画(extracellular volume fraction;ECV)を評価する。
▶ native T1は心筋のびまん性線維化,アミロイド沈着(心アミロイドーシス),心筋梗塞,心筋浮腫などで延長し,脂質沈着(Fabry病)や鉄沈着などで短縮する。
▶ ECVは心筋にびまん性の線維化やアミロイド沈着があると増加する。
▶ T2強調像やT2マッピングは心筋浮腫を反映する。
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