Japanese
English
Bedside Teaching
循環器疾患におけるNPPV
NPPV in Cardiogenic Pulmonary Edema
吉田 明日香
1
,
田中 啓治
1
Asuka Yoshida
1
,
Keiji Tanaka
1
1日本医科大学付属病院集中治療室
1Intensive and Coronary Care Unit, Nippon Medical School Hospital
pp.623-626
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101058
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はじめに
急性心不全の初期治療は,原疾患の根本治療とともに,肺うっ血を軽減し主要臓器循環を回復することが基本である(図1).肺うっ血は低酸素状態を惹起し,循環不全は血圧の低下や尿量の減少をもたらす.すなわち,低酸素状態が改善し,良好な血圧や尿量が保持できていれば,最低限の初期治療が行われていると判断できる.
左心機能の低下に基づく左室充満圧の上昇は肺循環のうっ滞を引き起こし,これに起因する血漿成分の肺胞内への漏出(肺胞浮腫)は肺胞低換気を来し,ガス交換を妨げる1).
酸素吸入や前負荷軽減を目的とした薬物療法などによっても改善しない重篤な低酸素状態を伴う肺うっ血の治療には,従来から短期的な用手法による陽圧呼吸や気管内挿管し人工呼吸器を用いたPEEP(positive end-expiratory pressure)療法2)などが行われてきた.
近年,非侵襲的陽圧換気(NPPV:non-invasive positive pressure ventilation)は心原性肺水腫の治療法としてもその有用性が知られ,急性心不全の簡便かつ効果的な基本的治療法の一つとして盛んに用いられるようになった3).
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