Japanese
English
特集 呼吸機能を考える
換気力学
Respiratory Mechanics
飛田 渉
1
Wataru Hida
1
1東北大学保健管理センター
1Health Administration Center, Tohoku University
pp.245-252
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100993
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はじめに
呼吸に際して,吸気筋の活動に伴い胸郭系が拡張し,それに伴い胸腔内圧は陰圧になる.その結果,肺は引き伸ばされ,空気は気道を通り肺胞に達する.一方,呼気時には吸気筋活動は停止し,肺胸郭系は元の状態に戻るため肺胞気は気道を経て呼出される.これらの呼吸運動に伴う肺胸郭系の力学的特性は物理学的特性である粘性,弾性,慣性によって表される.肺胸郭系では加速度が関係する慣性成分は無視できる.したがって,圧(P),気量(V),気流速度(V)がわかれば,換気力学上重要な弾性成分,粘性成分の情報が得られる.P,V,Vが換気力学の3要素と言われており,呼吸機能を知るための基本的項目である.本稿ではこれらの3要素を中心に概説する.
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